口呼吸習慣病に注意

口呼吸は、前頭葉に負担をかけている!? 歯科医がすすめる呼吸育

 医療法人社団智徳会ファミリー歯科医院 歯科医師の佐野真弘・サヤカは、(株)脳の学校代表で医師の加藤俊徳先生らとの共同研究により、口呼吸により前頭葉での酸素消費が起こることを明らかにしたので、紹介いたします。
 詳細はプレスリリースにも掲載されております。
http://www.atpress.ne.jp/view/41890

なぜ歯科医師が呼吸育を語るのか?

毎日何人もの患者さんを診て不思議に思っていたことがありました。何の苦労もなくいい歯並びを維持している人もいるし、歯列不正があり抜歯して矯正をしたのに後戻りしている人もいます。幼児から老人まで、あらゆる年代の人たちの歯並びを見ていると、習慣的な呼吸様式が歯並びに大きな影響を及ぼしていることに気付きました。

口呼吸とは?

ヒトの呼吸の基本は、鼻呼吸だといわれています。鼻呼吸は、吸った空気を浄化する機能が備わっています。ところが、歯列不正がある人は口呼吸の場合が多いのです。口呼吸とは本来は鼻が詰まったり、激しい運動をした時のその場をしのぐ対応なのですが、口呼吸をすると、乾燥した冷たい空気が口から直接体内に取り込まれてしまいます。
その結果、

1、口腔内では、歯列不正、虫歯、歯周病に罹患しやすくなる。
2、細菌が直接侵入し、粘膜に炎症が起きやすくなる。
3、扁桃腺炎、風邪、インフルエンザにかかりやすくなる。
4、睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群の原因となる。
5、免疫低下や免疫異常をひきおこしやすくなる。

等の口呼吸習慣病を引き起こしてしまうと言われ、身体に良くないとされています。ただ脳への影響については今まで科学的な検証はされてきませんでした。

口呼吸は前頭葉に負担をかける?

 口呼吸は脳にどのような影響を与えているのでしょうか?
そこで、私達は普段、鼻呼吸をしている人に、口呼吸をさせた時の脳への影響について調べました。
 今回の研究は、鼻呼吸の人(口呼吸の特徴がない人)を対象にして、前頭前野の活動を計測したものですが、 その結果、「鼻呼吸では、前頭前野で酸素消費が生じないのに対して、 口呼吸では、前頭前野で強い酸素消費が生じた」のです!
 つまり、普段鼻呼吸をしている人が口呼吸をすると、 前頭前野で無駄に酸素が消費されて、低酸素化していることが示唆されたのです。
 低酸素化している状態とは、エネルギーが消費されている状態です。身近なところでは、とても重い荷物を持ち上げた時に、 「筋肉使ったなぁ~」と筋疲労を感じたことがあると思います。
その時の筋肉の状態が、低酸素化状態です。
 風邪をひいて鼻がつまったとき、 口で息をすると、苦しい思いをしたり、イライラ感を感じたりしたことがある人は多いのではないでしょうか。
 これは前頭前野が低酸素化しているからかもしれません。
 ですから、この研究で考えられることは、「普段鼻呼吸をしている人が、夜にぐっすり寝ているようでも、いびきをかいている(口呼吸をしている)状態では、前頭前野で無駄にエネルギーを使い続けて、上手く休ませられていない可能性がある」ということです。
 脳が休まっていないからこそ、慢性的な疲労状態に陥り、寝ても疲れが取れなかったり、昼間に眠たく感じたり、注意散漫になる可能性が出てくるのです。

呼吸育の必要性

 現在私達は、診療室で口呼吸の子供や大人に、鼻呼吸を行うように指導しています。
口呼吸習慣は、様々な口呼吸習慣病の発症する前の未病の状態なのです。しかし長年体に染みついた口呼吸の習慣を変えることは並大抵のことではありません。だからこそ子供のころからの呼吸育の必要性が問われていると思います。
正しい呼吸様式を獲得することが、様々な口呼吸習慣病の予防につながります。これから将来を担っていく子供たちが正しい呼吸法を実践できるよう、社会全体で取り組んでいく必要があると思います。

【引用】
 Sano M et al. (2013) Increased oxygen load in the prefrontal cortex from mouth breathing: a vector-based near-infrared spectroscopy study. Neuroreport. 24 (17): 935-940.
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24169579

医療法人社団智徳会ファミリー歯科医院
佐野真弘・サヤカ
http://www.familyd-c.com/index.html

株式会社脳の学校
代表 加藤俊徳(医師・医学博士)
http://www.nonogakko.com/

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