セラミックのメリット、デメリット
Blog--審美歯科
三鷹市、ファミリー歯科医院、院長の佐野真弘です。
セラミックという材料は我々の業界では良く使用する材料です。
長時間の使用にも耐え得る耐久性、長時間の使用でも変色しない安定性、自分の歯と見分けがつかないくらいキレイに仕上げることのできる審美性、表面に汚れがつかない清潔性など・・。
金属アレルギーの心配も有りません。
どれをとっても確かに良い材料だと思います。当院でも日常的によく使用します。
ただ何でもそうですが、メリットとデメリットを良く理解しておかなければいけません。
セラミックにもデメリットはあります。
まずセラミックは非常に固い素材である、ということです。固いということはメリットでもありますし、逆にデメリットにもなり得ます。
固すぎて噛み合わせの反対側の歯を痛めてしまうことがあります。
特に奥歯であるとか、歯軋りや噛み締め、食い縛りの傾向がある方などは噛む力が非常に強く、相手の歯を痛めてしまったり、セラミックを入れた歯が壊れてしまうことがあります。
またセラミックという素材は固い半面、脆いという性質を併せ持っています。
要するに欠け易い、ということです。
セラミックが欠けた、ということは聞いたことがあるかもしれませんが、それを補うためにはセラミックの厚さを厚くしなければなりません。
そしてそのためには歯をより多く削らないといけないのです。
それだけの厚みが確保できるケースであれば良いのですが、それが難しい場合はセラミックは向いていない、ということになります。
さらに、セラミックは加工しにくい、というデメリットもあります。加工しにくい、ということは詰め物、被せ物の精度を合わせるのが難しい、ということです。ただ最近は以前に比べるとかなり改善されているようです。
精度が悪いと歯との境い目に隙間が空いている、ということですから、虫歯になりやすくなります。
ですからセラミックの内面を金属にしたり、ジルコニアにしたりして対応するわけです。
ちなみに当院のオールセラミックは内面はジルコニアのフレームで作成しております。
巷では一回の治療で終わるというのが売りのセラミックの治療もあるようです。カメラで写真を撮り(光学印象)、PCを使用し、セラミックのブロックから削りだして削ったその日にセラミックをセットして終わり、というものです。
大変素晴らしい治療法だとは思いますが、現在では精度の面で問題があるといわれています。
デモで拝見したことがありますし、知り合いの先生のところで導入されておられ話をききますが、もうちょっと技術が進歩してからなのかな?とも思います。
何はともあれセラミックが最良の方法である、ということではなくて、その患者さんによって治療法というのは変わるべきものであり、柔軟に対応すべき、というのが私の考えです。
カテゴリー:審美歯科 投稿日:2009年11月7日